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伝説のゲーム「プロ野球PRIDE」について #4 『トレード機能から見る資本主義社会の闇』

  皆さんこんにちは!第4回となりました、伝説のゲーム『プロ野球PRIDE』の魅力に迫る…(苦笑) このコラムですが、今回も引き続き『トレード機能』についてのお話です。

  前回のおさらいとして、このゲームにはトレード機能が搭載されており、ユーザー同士が選手カードを自由に取引できる環境が整えられています。今回はそんなトレード機能の真実に迫っていこうと思います!

  タイトルに大層なことを書きましたが、トレード機能は言ってみれば選手カードを通貨と見立てれば、お金で商品のやり取りをしているようなものとも言えます。そのカードの価値はまさに為替変動のように儚いものです(笑)

  例えばトレードの一連の流れを説明すると、このようになります。

ガチャで選手カードを手に入れる→お目当ての選手カードを求めてトレード市場に売りに出す→お互いの利害が一致した時トレードが成立する。

  恐らくこんな感じでしょうか…?基本的にこのゲームで欲しい選手をガチャで一本釣りすることは出来ないので、一般的にはこのような形式を取らざるを得ません。ただ、前回にもお話した通り、この形式はサービスを存続していく上で危うさも孕んでいるものでもあります。その理由は少しだけタイトルにあるものとも関係するのです…。

【トレード機能の基本的な説明】

  基本的にこのゲームでは、選手カードと監督カードの2種類で市場が成り立っています。

『選手カード』は5月30日時点で『壮烈』が最新の高レア選手になります。このカードを入手してチームを強化したい場合は、市場のレートを考慮しながらトレードを提案して行かなければなりません。この際に下の『監督カード』が使われることになります。監督カードは、ゲーム内で選手を『覚醒』させる為の重要なカードであり、選手育成に必須な為、ゲーム内ではしばしばお金のような役割を果たします。そのレアリティも多様で、SS監督〜煌監督までの7段階存在し、高レアの監督カードになるほど、高価値であることは言うまでもありません。

  では、実際の例に基づいてトレード機能を説明しましょう。例えばガチャで以下のような選手を手にしたと考えましょう。

・1壮烈ボー・タカハシ投手

  西武のボー・タカハシ選手です。しかも最高レアリティの『壮烈』!ですが、巨人の選手が狙いだった場合、使い道は限られますよね。なら、トレードに出して巨人の選手と交換してもらおう!となる訳です。

  ではこちらも1壮烈巨人の増田選手(こちらも最高レアリティの壮烈)と交換してもらいましょう。

………。

結論から言うと、このトレードの成立は難しいのです。理由はそのレートに関係しています。

  次回以降の回で詳しく説明するのですが、同じレアリティ同士でも様々な理由で、価値が異なります。例えば今回で言うと、巨人が人気球団で出回りが少ない為、同じレアリティでも増田選手の方が価値が高くなってしまうのです。その際に先程説明した監督カードなどを用いてレート調整が行われます。先程のボー・タカハシ選手に監督カードを追加して提案してみましょう。こうすることでトレードが成立しやすくなります。

  以上は簡単な例ですが、説明して行くと本当に奥深いものです(笑)  そしてここまで説明してみて、何となく察する方もいるかとは思いますが、商品とお金のやり取りに近いものを想起しませんか?

  そうです。これが今回のお話にも繋がるのですが、このトレード機能が引き起こす1つの問題点として、『カード価値の変動』があげられる理由でもあります。

  プロ野球PRIDEでは1年間でシーズンが4回入れ替わります。このブログを書いている今はシーズン1なので、少しすればシーズン2に切り替わります。このシーズンが切り替わると、選手の能力が引き上げられ、様々な特殊能力を持ったカードも次々にリリースされる為、現在最も価値のあるカードも、数ヶ月もすればその価値を維持することが出来なくなります。

  監督カードについては、紙幣価値のように滅多なことで価値は変動せず一定ですが、選手カードの価値はジェットコースターのように変動していき、1年もすればもれなく無価値になってしまいます(一部カードを除く)。

  せっかく課金してゲットした強いカードや価値のあるカードも、その価値が持続せず変動が激しい点は、このトレード機能が引き起こす弊害の1つとも言えるでしょう。ただ、ユーザーの皆さんはそれを理解した上でプレイされていると思います。

  ソシャゲにおいて他のプレイヤーとトレードできる機能はとても珍しいので、その新鮮さは間違いなくこのゲーム最大の売りとも言えるでしょう。ただ、その分闇深いものを抱えていることは言うまでもありません。

  少々長くなりましたが、今回はこの辺にしておこうと思います!次回は『イベント編』です!ご期待ください…!!! ではでは!